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「東根室駅」廃止の背景と影響 今後は?

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令和7年3月15日に廃止される、東根室駅。

廃止理由は、利用者減少とのこと。

日本最東端の駅は、3月15日からは、1.5km西の「根室駅」になります。

「根室駅」が大好きな私ですが、先日「東根室駅」にお別れ訪問に行ってきました。

実は、根室市に暮らし始めて数年になりますが、初訪問です。笑

東根室駅の歴史、特徴

1. 開業と歴史的背景
東根室駅(ひがしねむろえき)は、北海道根室市にあるJR根室本線の駅で、日本最東端の駅として知られていました。

  • 開業:1961年(昭和36年)9月1日
    当初は、簡易な仮乗降場(乗客が乗り降りできる場所)として設置されました。これは、根室市の市街地拡大に伴い、利便性を向上させる目的がありました。
  • 1973年(昭和48年)12月1日
    正式に「駅」として昇格し、現在の東根室駅となりました。

2. 日本最東端の駅としての存在
根室本線には根室駅(終点)がありますが、線路の位置関係から東根室駅のほうが東にあるため、「日本最東端の駅」として記録されています。

  • 駅の東端は東経145度35分50秒に位置し、日本全国の鉄道駅の中で最も東にある駅として、鉄道ファンに人気のようです。

3. 駅の構造と特徴

  • 単式ホーム1面1線の無人駅(駅舎なし)
    • こぢんまりとしたシンプルな駅で、駅舎はなく、待合室もありません。
    • ホーム上に「日本最東端の駅」の看板が設置されています。
  • 近くには根室本線の終点「根室駅」がある
    • 根室駅とは約1.5kmしか離れていません。

4. 観光地としての魅力
鉄道ファンだけでなく、日本最東端を訪れた証として観光客にも人気の駅です。駅周辺には根室の観光スポットが多く、駅巡りと一緒に楽しめます。

  • 納沙布岬(のさっぷみさき)(日本最東端の岬):駅から車で約30分
  • 花咲線の絶景:根室本線(通称「花咲線」)は、釧路から根室にかけての沿線で雄大な景色が楽しめますよ

    www.hieastedge.tokyo

     

利用者減少のデータ

東根室駅の利用者数は、近年大きく減少しています。根室市提供の具体的な数値を以下にまとめます。​

  • 2018~2022年度の平均利用者数:​1日あたり約10.8人
  • 2019~2023年度の平均利用者数:​1日あたり約7.8人

このように、直近の5年間で1日あたり約3人の減少が見られます。特に、2023年度には利用者が激減し、5年間の平均利用者数が10人以上から大きく下回る結果となりました。

この減少の主な要因として、2023年4月から開始されたバス路線の新設や運行改善が挙げられます。これにより、通学利用者が鉄道からバスへ移行し、東根室駅の利用者数がさらに減少したとのこと。tabiris.com

これらの状況を踏まえ、東根室駅は2025年3月15日のダイヤ改正で廃止されることになったようです。

 

廃止で人々は不便にならないの?

訪れてみて、東根室駅の利用者が減少していることに少し違和感をおばえました。
確かに、隣の根室駅とはそんなに離れていません。しかし、「東根室駅の周りは新興住宅地」と思われる場所です。
通学利用者は減っても、そのほかの利用者は減っていかないのでは?と感じました。
それ以上に、根室市全体の人口減少が著しいのでしょうか?
明らかな廃止反対の声は、根室市では上がっていないようでしたので、やはり不便になる方は多くはないのでしょう。

今年廃止される「抜海駅」では

2020年に廃止が検討された「抜海駅」では、通学や通院で駅を利用していた住民が代替交通手段に不安を感じ、駅の存続を求める声が上がりました。​これに対し、稚内市は、スクールバスの増便や乗り合いタクシーの導入を提案しましたが、住民からは時間帯や予約制への不満があったようです。 

wakkanaipress.com

このように、駅の廃止は住民の生活に直接的な影響を及ぼし、特に高齢者や公共交通機関に依存する人々にとっては深刻な問題となるのでは、と心配になりました。(私もすぐに高齢者です)

最北の秘境駅「抜海駅」まもなく消えゆく! 街の歴史と廃止までの経緯を探る - トラベル Watch

(「抜海駅」の場合は、利便性の問題だけではなく、、映画のロケにも使われた古い駅舎があり歴史もあるので、東根室駅とは事情が違うのかも知れません。)

AIの活用で、不便解消か?

不便になるお年寄りが多いのでは、と心配している私に、希望を与えてくれる記事を見つけました。
おすすめです。↓
キーワードは、
 「デマンド型乗合タクシー 」です。
記事の一部分を引用します。
『これは利用希望者の依頼に応じて配車される「デマンド型乗合タクシー(AIオンデマンド交通)」で、市内の根室ハイヤー、中央ハイヤーが運行。最大の特徴はスマートフォンアプリ上に仮想で設けられている停留所から目的地最寄りの仮想停留所までのルートを、AIにより自動的に生成する点です。アプリは高速バス大手「WILLER EXPRESS」を傘下に持つWILLERと携帯電話のauブランドを手掛けるKDDIの合弁会社・Community Mobilityが開発する「mobi」を使用しています。』
 
人口減少が止まらない日本では、鉄道の廃止駅は、今後も増えると思います。
「AIオンデマンド交通」の進化により、不便が解消されるといいですね。