高校生のとき、片桐機長事件「日本航空350便 墜落事故」をテレビで観たのを今でも覚えています。私の住んでいる福岡から羽田空港に飛び立った飛行機が羽田空港着陸直前に墜落し、24名が亡くなった事故です。「逆噴射」という言葉が流行しました。
事故機が福岡発だったこと、片桐機長が福岡市に住んでいた(という噂でした)ことなどから、「日航機は危ない」と福岡の人々は特に思ったのではないでしょうか。
主人は当時東京に住んでいて、福岡と東京を飛行機で時々往復していたそうで、事故の前日の同じ便に乗って福岡から東京に戻っていたそうです。この事件を新聞で知った主人は、愕然となったそうです。一日違いで事故に合わないです済んだことに驚いただけではなかったとのこと。
主人に言わせると、「日本航空はそれまで、世界でただ一つの事故を起こしたことのない航空会社で、社長には九州出身者が多く、子供の時は確か松尾さんと言って佐賀でも有名なお家の方であり、九州と言えば日本航空というぐらい、日本航空は九州人の誇りでもある会社。九州人は昔から全日空には乗らないはず。それがこの逆噴射事故、、、嗚呼、、、、。」 主人は大の日本航空ファンでした。
その主人が「残念だけど、あれ以降日本航空には乗らないことした」と決め、今日まで来ています。
ただ、その後年月と共に事故時の記憶が薄れ、仕事の都合もあり、今では主人も私も時々JALに乗ってはいますが、それでもほとんどがANAです(JAL関係者の方ごめんなさい)。また、子供達の日本とイギリスの往復にもANAばかりを利用させています。
さて、そのANAに乗る子供達が、「到着時にいつも流れるあの曲を聴くと、なぜか気が滅入る」と言っているあの曲。高名な音楽家の方の曲だそうで、今でも到着時には国内線でも聴く曲です。
子供たちには「ヒースロー空港到着時に感じるホームシックとあの曲とがセットになっている」ようで、「もう何年も変わらない(と思いますが)あの曲だけは、今でも好きになれない」と口を揃えて言います。
子供達が気が滅入ると言うあの曲を、私もなんとなく好きになれずにいましたが、最近あの曲が好きになっている自分に気がつきました。
ドアが開くまでの数分間に歌舞伎役者さん親子の撮影場面を撮っている映像とあの曲とがとても合っていて、この映像を音楽を聴きながら眺めるのが楽しみになっています。
特に、カンカンカンという木を叩くときに響く乾いた高い音が映像と一緒に流れる場面。そのバックにあの曲のメロディーがぴったしマッチしているように感じます。今までなら、余計に気だるくなって「ああ、この曲をきくとドッと疲れが出るなぁ」と思っていたのですが。
主人も「そうだな。曲が変わったのかな? いやあの曲は変わっていないよね」と言います。
昨日乗ったANAの11月の機内誌。冒頭の写真(読者投稿)にあるように、子供さんたちもこの映像が好きになっているようです。子供さんが「歌舞伎の飛行機」にまた乗りたい、と言うのだそうです。この投稿記事、読み終えるとほのぼのとした気分になります。子供さん、可愛いですね。
と、いい気分で、好きになったあの曲を口ずさみながら ANA機内誌「翼の王国」を読んでいたところに、昨日の羽田ーロンドンのJAL直行便でイギリスに戻った娘がLINEで写真(⬇︎)を送ってきました。(イギリスの高校には、ハーフタームといって中休みが10日間ほどあり、今回の中休みは急遽帰国するよと娘が言い出し、ANA直行便が満席だったため、往復JALで帰国させました)
「え、JALの機内食が吉野家の牛丼?」(ロンドン行きエコノミークラスです)
吉野家が機内食としてダメという訳ではありませんが、ただ、小さな子供さんが「歌舞伎の飛行機」と、「吉野家の飛行機」と、どちらにまた乗りたくなるのかを考えると、私は、断然「歌舞伎の飛行機」のほうだと思います。(思い出として)
筋金入りの日航ファンの主人に上の写真をみせると、「え、LCCの機内食じゃ無いよね? 昔の日航からは考えられないと思うけどなぁ」の一言で、昔を思い出す目をして、この話は終わりました。
機内映像と機内食を比較するべきでは無いとの意見もあるかと思いますが、同じ日の出来事だったので、ついくらべてしまいました。
(すぐ上の写真はANA機内誌の機内食の取り組みを紹介しているページです。JALの機内誌にも同様のことが書いてあるとは思いますが、、、。)
では、また