先日我が家に「季刊 チョイスN0.233」が届きました。今号は、ゴルフコースやゴルフ道具についての記事がページの多くを占めていました。主人が毎回楽しみにしている雑誌です。
私も主人も、ゴルフに30年近く接してきましたが、綺麗で素晴らしいコースやゴルフ道具にはほとんど無縁です。
私は、30年前のゴルフバッグを今も使っています。主人も、パターはゴルフを始めた当初からの古いものをずーと30年間使っています。
主人はボールもずーと1ダースが1000円以下のボールを使っていましたが、友人から「シングルでそんなボールを使っていたら恥ずかしいぜ。いい加減まともなボールを買えよ」と言われ、それからは、ゴルフ場のフロントで売ってるロストボールで6個1000円のブランドボールに替えました。
先日書きましたが、我が家では子供を3人も海外に留学させています。若い時は趣味にお金を回す余裕はありませんでしたので、主人は今でもゴルフウエアも持っていません。
「スニーカーかと見間違えるゴルフシューズも出回りだしたので、最近は誰も俺の格好を上から下までジロジロと見なくなった。あと数年で、みんなが俺と同じように普段着とスニーカーでゴルフをしだすぜ」とバカなことを言っています。
というわけで、あまり興味を引くページがなかった今号の「チョイス」でしたので、さっさと本棚にしまおうと思い、最後のページを開きました。
「ゴルフとラグビーの共通点」という題で、元日本ラグビー代表の大八木淳史さんという方の随筆に目が止まり、読んでみました。
今年のラグビーワールドカップで、にわかラグビーファンになった私です。だから、この記事に目がとまったのだと思います。私は大八木淳史さんを存じ上げません。
この大八木さんの随筆を読んだ後、主人に「ここに、『ゴルフはポストを狙うときのキックの集中心を養える』と書いてあるけど、どういう意味なの?」と質問しました。
すると、主人は「どれどれ、それ俺にも読ませろ」と記事を読み出しました。
「あの山口監督の言葉かぁ」と昔を思い出している顔をします。そういえば大八木さんと主人は年齢もほぼ同じ。
主人は中学高校大学とラグビーをやっていたようです。だけども今年のワールドカップを一緒に観戦するまでは、ラグビーの話をしたことはありません。「ラグビー部だったけど、グラウンドでは逃げ回っていただけ」のヘボラガーマンの一人だった由。
「あなた、山口良治先生って方を知っているの? 有名な先生なの?」
「俺の年齢で、山口監督とこの大八木淳史を知らないラガーマンはモグリだぜ。そして、大八木と平尾誠二は誰もが知っていて、誰もが憧れた存在だった。」とのこと。
「へえ、で、ここに書いてあるキックの集中力とゴルフがどう通じているの?もちろんゴルフとラグビーがどちらも英国発祥という共通点はわかるけど。」
「うーん、山口監督は現役時代にキッカーだったんだろうな。俺もキッカーだったことはあるけど。あれ、大八木淳史はキッカーだったのかなぁ? うーんキッカーだった大八木のプレーを思い出せないなぁ」
「あなたも、キッカーだったの? だったらわかるんじゃない。そうだ。あなたの言うことをブログに書きたいから、思うことを話してみて」
と、元ヘボラガーマンの夫の話を聞くことにしました。
「もしかしたら、山口監督も俺と同じ経験をしたのかもしれない。俺、高校生の時はスタンドオフだったんだ。そして、キッカーだった。すぐにクビになったけどね。
実は、初めての公式戦でのこと。プレースキックとなった。両ポストの間にボールをうまくキックできたら、逆転で我が校の勝ちという場面だった。
キッカーだった俺は、練習どおりににボールを置いて、練習どおりにボールから離れ、練習どおりに深呼吸をして、練習どおりにボールに向かい、練習どおりに左足を踏み込み、練習どおりに右足を振り下ろしてボールを蹴る、はずだったんだが、なぜかダフったんだよ。多分、山口監督もダフったんだよ。だからそう大八木に言ったのだろうな。」
「ラグビーでも『ダフる』って言うの?」
「ど、どうだったかな? 思わずゴルフ用語を使ったけど。ラグビーでは、『プレースキックをダフる』 とは言わなかったような気もする。ただ、どっちも英国発祥なのだから『ダフる』と言ったかもね。
ラグビーをやらなくなって30年以上経つので、ラグビー用語ももうほとんど忘れたな。今年久しぶりにラグビーを観たけど、昔とはかなりルールも変わっていたし。
ただ、プレースキックをダフる奴は昔からあんまりいないと思うな。俺は、その1発でキッカーをクビになったし、もし続けていたら、間違いなくプレースキックイップスになっていたと思うぜ。それに、、」
「プレーキックイップス? もう黙っていいよ」
こいつは、絶対にラグビーをやってはいない。
では、また