阿川佐和子さんと壇ふみさんが、何かの雑誌で対談されていました。数年前ですが。この対談で、壇ふみさんが、自分は「ひとり焼肉」派だ、と述べていたと記憶しています。しかも、阿川佐和子さんも、壇ふみさんの「ひとり焼肉」には驚いていませんでした。都会では、こういう女性が多いのでしょうね。
ひとりで焼肉を食べに行っているなんてすごい!
私は、一人では喫茶店でさえも入れないのに、、、、。モスバーガーでもひとりではテイクアウトしかできないのに、、、。
2人の対談を読んだ後、私もいつか、ひとりで焼肉屋さんに行って、美味しく食べることができるようになりたいと思っていました。
本日は、夕方から主人が家をあけるので、夕食はひとりとなりました。いつもなら、ささっと簡単なものを作って済ませるのですが、今日はいつになく忙しくて疲れてしまい、料理を作る気力が出ませんでした。
そこで、今まで出来なかった「ひとりモスバーガー」をやってみようと思いたちました。でも、今日はどうしてもご飯料理が食べたくなりましたので、冒頭の写真「すき家」にトライすることにしました。「すき家」で「ひとり焼肉」の予行演習を、とも考えましたので。
「すき家」には初めて行きます。
根室市の「すき家」は、大通りに面しているので、運転している車からよく見ていますが、この店が混雑しているのを見たことがありません。根室市の「すき家」は、初めての「ひとりすき家」とするには好都合です。
時間は夕方6時。根室市にはラッシュアワーはなく、我が家からスイスイと来れて、幸先の良いスタートでした。
駐車場は、大型スーパーの駐車場に隣接しているためとても広く感じ、駐車もスイスイと出来ました。
玄関外からお店を覗くとカウンターに2人の男性がいるだけです。テーブル席には誰もいないようです。お客さんが少ないようでで安心しました。
気合いを入れて中に入りました。
静かな店内を予想していたのですが、音楽ではなくラジオ番組を大きな音で流していました。
「いらっしゃいませ」と、私と同年代の女性に笑顔で言われました。女性の可愛い帽子から口元にマイクが伸びているように見え、近代的な雰囲気だなと感じました。
「お好きなところにどうぞ」と言われたので、男性2人がいるカウンターを避け、奥のテーブル席に着席しました。
女性は「決まりましたらボタンを押してください」と言って奥に引っ込みました。
さて、どれにしようかなとメニューを探すも、メニューがテーブルにない。まわりのテーブルを見てもメニューらしきものは見当たらない。すべてのテーブルにはボタンがあるだけ。
メニューがないので決められない!
どこを見てもありません。初めての利用だと悟られたくない私は、メニューが見当たらないのですがと伝えることが出来ませんでした。
幸いなことに、女性は奥に引っ込んだままだったので、私がキョロキョロしていることは誰も気づいていません。立ち上がったりして必死に探しましたが、結局メニューを見つけることはできませんでした。
仕方がないので、テーブルに貼り付けてある「黒毛和牛すき焼き膳」を頼むことにしました。
ボタンを押すと女性がすぐに奥から出てきました。耳元から口の方へ伸びているのは、やはりマイクのようです。そしてタブレットを手にしていました。
「このすき焼き膳をください」とメニューを指差して頼むと、
「◯◯もりですか?」
と女性が言われますが、早口でもあり、◯◯がよく聞き取れません。店内に大きく響くラジオ番組の音も、女性の声を聞き取りにくくしていました。
「え? 普通でお願いします」(大盛り? あなた、私の体型を見て言っているの?)と答えると
再び、「◯◯もりですか?」
と早口で言われます。今度は、「〇〇」が「おお」とはっきり言ったように聞こえたので、
「いえ、大盛りでなく、普通でお願いします」(あなた、私をからかっているの?)と答えました。すると、
三たび、「〇〇もりですね?」と。
私も、「大盛りでなく、普通で」(あなた、私をどうしても怒らせたいのね?)と少し大きな声で答えました。
すると、女性は、私の顔をしっかりみながら、上の写真のある箇所を指差して、今までと違って、ゆっくりと「こ、れ、ですよね?」と言います。そこには、「並盛」と書いてありました。
「〇〇」が「なみ」のことだとやっとわかりました。
「ああ、そうです、このナミモリでお願いします」と言うと、今度は私の顔をみずに、タブレットのボタンを押して「少々お待ちください」とさっと奥に引っ込みました。
「並盛り」という言葉に、初めて接しました。
「吉野家」も
大盛り 並盛り 小盛り などとなっているのでしょうか?
私の語彙には、「〇〇盛り」とは、「大盛り」しかないのです。(「普通盛り」という言葉は聞きますが、これだと「◯◯◯もり」ですものね)
「吉野家」にも若い頃に主人に連れられて一度行ったきりです。「並盛」という言葉があったのか覚えていません。
あー、ひとりで来るのではなかったと思いました。(奥で女性たちは私のこと笑っているだろうな)
落ち込みながら食事をしていると、若い親子連れが店内に入って来て、テーブル席に座りました。見ているとテーブルとテーブルの間からメニューをすっと取り出しているではないですか。やっとメニューの置いてある場所がわかりました。
では、また